健康ア・ラ・カルト

【17)眼】  1)近視

質問

46歳、男性。小学生の頃より近視あり。4年前には右眼は矯正しても0.1位でした。眼底検査では強度の近視による網膜萎縮があり、今の時点ではこれといった治療法はないといわれました。左眼は1.5といいのですが、いずれ年をとれば同じようになる可能性があり、特効薬とてないそうです。私の仕事はデスクワークで、将来が不安です。アドバイス下さい。

回答

◎専門施設で診察を

近視は単純近視と病的近視の2型に分類されます。単純近視は、ほとんど問題ありません。一方、病的近視(簡単にいうと、非常に強い近視のことです)は眼の奥の網膜が薄くなり、進行性黄斑変性とか、後部ぶどう腫を生じ、重大な視力障害を生じることがあります。あなたの場合は病的近視だと思われます。

現在、角膜、水晶体などに手術を行うことで、近視の強さを軽くすることは可能です。しかしながら病的近視の原因は眼軸長の延長と考えられるので、こうした手術で近視が改善されても病的近視による視力障害を防ぐ効果は期待できません。残念なことに現在の医学ではよい方法がないのが実状です。

しかし、最近では遺伝因子研究とか、人工網膜の研究、脳に直接刺激を加えて物をみる研究など、新しい研究がなされており、10年後の実用化も夢ではないといわれております。

また、病的近視でも、予後の悪いものから比較的将来の不安が少ないものなどいろいろあり、専門的にそのような患者さんを診療されている施設もあります。たとえば、東京医科歯科大学の強度近視外来です。そうした所で診察をうけられ、仕事のこととか、将来のことなど相談されるのも一つの方法かと思われます。

あまりよいアドバイスとはいえませんが、参考になれば幸いです。

(中部医師会員・山名忠己)