健康ア・ラ・カルト

【6)消化器疾患】  1)舌の白い苔

質問

74歳、女性。入れ歯のトラブルなのかよく理由はわかりませんが、口内炎を起こし、かかりつけの医師の薬でおおかた治っていました。しかしこのたび、舌に白い苔(こけ)のようなものがつき、2カ月たっても治らない状態です。食事をするのにはあまり気になりませんが、口の中が苦く、朝起きたとき気持ち悪く、薬局で買った漢方薬を飲んで少し楽になりました。

何か悪い病気ではないかと心配です。

回答

◎カビの一種か慢性刺激

今回のご質問は、舌に白い苔がつくとのことです。実際に拝見していないので詳細は不明ですが、舌の白くなる病気について説明したいと思います。それには以下の三つが代表的です。

(1)白板症 白色の板状あるいは斑(はん)状のものが見られる。
(2)扁平苔癬(せん)乳白色の線状斑が網目状、綿花様、環状、あるいは樹枝状とさまざまな形を示します。
(3)カンジダ症 舌に白い苔が生えたようになり、はじめは簡単にはがすことができますが、進行するとなかなかはがすことができず、灼(しゃく)熱感を伴うことが特徴です。

(1)は、栄養不良や喫煙などの慢性刺激が原因と考えられていますが、本態は不明のようです。舌がんへ移行するものがあり、注意が必要です。

(2)は、多くは原因不明ですが、カラーフィルムの現像に従事する人にみられます。そのほか薬剤に関係して認められる例もあります。

(3)は、カビの一種のカンジダによる感染症です。

このご質問の場合は、おそらく(3)に該当すると思われますが、カンジダ感染症の場合、局所的なものから全身の病気の部分症、あるいは合併症として現れることもありますし、(1)も完全には否定できませんので、専門医にご相談されることをお勧めします。

(鳥取県立中央病院内科・秋藤洋一)