健康ア・ラ・カルト

【1)加齢と病気】  1)口が粘り困っています

質問

78歳、女性。15年来高血圧と糖尿病で服薬しています。血圧は150~70、ヘモグロビン6.5%前後です。10年前から口が粘り、ものも言い難く困っています。舌に白いものがつき歯ブラシで落としています。歯科医には薬の副作用かもと言われ、内科医にはヘモグロビンが標準以上でないと粘らないと言われます。血糖の高い方に聞いても全然粘らないとのこと、何かいい方法を教えて下さい。

回答

◎一度、耳鼻咽喉科受診を

口の粘りは糖尿病で血糖値やグリコヘモグロビンが高く、コントロールの悪い場合に尿量が増加して体の水分が不足した時にもみられますが、現在、グリコヘモグロビン6.5%前後とコントロールは良好ですので、糖尿病によるものとは考え難いです。

舌に白いものがつくとのことですが、これは舌苔と呼ばれるもので、口で呼吸する時に口の中が乾燥した場合に生じやすく、また、唾(だ)液の分泌が少ないために生じることもあります。

唾液の分泌は自分の意思とは関係なく作用する自律神経系の働きにより調節されます。自律神経系の一つである交感神経が刺激されると、少ない量の粘稠度の高い唾液が分泌され、口が粘くなります。

口の中の乾燥、粘りがある場合には、心身症的なこともありますが、口腔内、鼻腔等をよく調べる必要があり、耳鼻咽喉科を受診してみられたらと思います。

原因が不明な場合には、口腔内をよく清掃することが最も大切です。そしてうがいを1日に何回も行って下さい。原因となるような薬は中止して、水分も腎機能に著しい障害がない限り、1日に1.5リットル程度を飲料水(汁類を含む)として補給して下さい。

(県医師会・天野道麿)